業務案内|中央総合会計

    会計・経営リポート コラム

    【笑顔で施す】

    その会社に時々やってくるコピーメンテナンスの青年は、女性社員たちのアイドル的存在です。青年が「おはようございます」と元気な 声で会社のドアを開けると会社全体が明るい雰囲気になりオフィスにいる女性社員たちが寄ってきて、あれこれ話しかけ始めます。
    そして夏なら冷たい麦茶を、冬なら温かいコーヒー等をすすめ、お菓子を出したりするのだとか。この様子を見ていた男性社員が「別にカッコイイわけでもないのに、なんで彼ばっかりモテるのかねぇ」などと拗ねてみせると、女性社員は「あんなにニコニコされたら、こちらも気持ち良くなりもっと喜ぶ顔が見たいって思うじゃない」。
    お釈迦(しゃか)様の教えのひとつに「布施行」があります。自分の持っているお金や物を与える事により、執着心を捨てるという行(ぎ ょう)です。布施と聞くと、お金や財物を施す事を思い浮かべますが、お金や財産がない人が出来る布施の内の一つが人に対して笑顔で 優しく接するという「和顔施(わがんせ)」です。誰に会っても笑顔と優しい表情を見せることで相手の心が和みます。それが自分に反映 してさらに優しい表情になりこの循環が周りに良い影響を与え会社(地域社会)が幸 せな気持ちになります。いつもニコニコしていれば、それだけで施しになるというこ とです。コピーメンテナンス青年が愛されているのは、和顔施をしていたからなのでしょう。
    しかし大人の場合、自然には中々笑顔にはなれません。逆によっぽど気を付けていないと不機嫌な顔(本人は真面目な顔、真剣な表情 と思っている事が多い)になっているのではないのでしょうか。いつもニコニコ、笑顔でいられるのは相当な努力の結果の場合が多いと 思います。悲しいことや辛いことがあっても、とりあえず鏡の前で笑顔の練習をしてみる事です。心がダメなら形で整える。たとえ能力が 低かったり、ハードワークが出来なくても職場の仲間のため、そして社会のために、誰もがすぐできるのが和顔施です。

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